お待たせしました。少しでも穏やかな時間をいっしょにもてたなら。そんな気持ちで、少しずつコラムをお届けします。
ご意見もぜひ、お寄せくださいね。 (2020.05.29)
黒い雲と白い雲の境目に
グレーではない光が見える
―26人のがんサバイバー
あの風プロジェクト
2021年3月、26人の女性がんサバイバーさんによる短歌集「黒い雲と白い雲の境目にグレーではない光が見える」(左右社)が発刊となりました。
京都の女性サバイバーさんの短歌も収められている短歌集、手にした時にまず感じる優しい紙質、コデックス装という珍しい装丁が美しい1冊です。
がん患者遺族の立場としてがん患者支援活動に携わっている私にとって、この短歌集はページをめくるごとに自分の不甲斐なさを感じ、申し訳ない気持ちが重なる本でした。それだけ、迫りくるものが1首1首に込められていました。
読み進めるにつれ自分の心持ちが重くなることが、もしもどこかで患者さんたちの気持ちを、0.1グラムでも0.01グラムでもいい、軽くできることにつながればと、そんな願いも湧いてきました。(そんなことは有り得ないかもしれませんが、そんな風に思うことしかできないことが、またもどかしいばかりです)短歌という形で綴られていることに、助けられたように思います。
同じがんという病と向き合う女性たちの“お守り”になるようにと綴られた言葉たち。家族にとっては、がんと向き合う大切な人の気持ちに少しでも近づきたいと思う時に、そっと道しるべになってくれるように思います。
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もう1冊、「がんとつきあうためのABCブック」(金子いずみ著 新風舎)も、京都の女性サバイバーさんの言葉で綴られた本です。既に絶版であることが本当に残念でならない、良書です。
“まえがき”で著者も記していますが、「ABCブック」というタイトルから想像されるようなノウハウ本ではなく、26文字のアルファベットから始まる単語から想起される、著者の「私語り」を集めた本です。例えば、Aは「Amazing Grace恵みの発見」、Bは「Breath Deeply 深く息をしよう」などという具合です。がん患者である著者の言葉であるには違いないけれども、そこにあるのはひとりの聡明な女性の、飾り気のない人生の日々です。
ひとつご紹介します。アルファベットのYは「Yes This is My Life 人生にYesと言おう」とあり、こんなことが書かれています。
「私たちを悲しませているのは、喪失そのものではありません。喪失に自分が与えた意味によって、私たちは悲しんでいるのです。私たちを傷つけるのは、あの人のあの言葉ではありません。それに自分が与えた解釈によって、私たちは傷ついているのです。」
ここでいう“喪失”の対象となっている“こと”は、病で失った身体の一部のことかもしれないし、かけがえのない大切な人のことかもしれないし、あたり前にやってくると信じていた未来の日々のことかもしれません。
私がこの活動で出会った言葉に「未来は変えられない、でも、過去は変えることができる」という言葉があります。過去は、どのような“解釈”を与えるかによって、変えることができる。その解釈を与えるのは、誰でもない、自分なのです。
この本と出会ったのはかれこれ10年近く前で、私は著者の年齢をひと回り以上越えてしまいましたが、この本の言葉たちは今も私を優しく導き、励ましてくれる“おまもり”の一冊です。どこかの図書館や、もし中古で販売されていたら、ぜひご一読ください。
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※下記のタイトルをクリックすると、出版社サイトにリンクします。
26人のがんサバイバー あの風プロジェクト 監修:岡野大嗣、2021年、左右社
2004年、新風舎
連協副会長 竹内 香
今夏は、梅雨入りも早く、真夏のような日もあり、木々の緑も濃くなり、木陰に吹き渡る風が心地よいことです。
ワクチン接種も進んではおりますが、全国民に行きわたるには、尚、時間も要することで、
予約や、接種する会場等々、不満や、伴うトラブルや、心のイライラによる行動も散見するところです。
もちろん、自らの命や、生活全体に関わることですから、仕方ないのかもしれません。
イライラをぶつけられた人の心のいたみ、また自らの行動の悔やみを思ってみますと、おおらかに、「こんなときなればこそ」おたがいさま、おもいやりの心を思わずにおれません。
暑いさなかに吹き渡る風の涼しさは、太古のむかしから今も未来も、寸分変わらず吹き抜けてくれています。
私たちも、風にならって、おたがいさまに風をおくりたいものです。
佐野泰典 記
★☆★☆
素敵なコラムをありがとうございます。
写真からも清々しさと逞しさ、そして心地よさを感じます。
「萬古清風」、もとは漢時代の漢詩の一節からきているのですね。
「はるか昔から清らかな風が変わらずに吹いてくる」、「古きにも新しきにも全ての時空にあまねく清風が吹く」
今となっては昔、学生の頃にヨット部員として海に出ていた日々を思い出しました。エンジンを積まないヨットの動力の源は風の力です。風そのものは目に見えず、普段は忘れがちですが、ヨットの世界ではどの程度の風(風速・風力)が、どこからどこへ吹いているのか、常に把握する必要があります。的確に風の状況を把握していないと、海に出させてもらえないものでした。帆が集めると、風はときに驚異的な程の力になります。目には見えない自然の力を実感していました。
海上に限らず、いかに微力でも、風は常に吹いています。それはいつも違うものでもあり、同じものでもあると言えるのでしょう。ヨットの上では旗や布のテープ、波や水面の表情、セイル(帆)の引き・張りなどで「風」を感じます。普段の生活でも、草花の揺らぎ、肌への当たりなどで「風」はいつも傍にあることを教えてくれています。
ときに脅威にもなりうる「風」ですが、優しく、さわやかに吹き抜けていく風を感じつつ、人と人とのつながりも、そのようないにしえの風、いつもそこにある清々しい風として優しく吹き抜けるものであれたらと思います。そして心配しなくても、風はいつもそこにあるのです。
連協副会長 丹上
青葉目に染みる好時節ですが
コロナ感染の大波にまたまた
心穏やかにおれません。
♪夏も近ずく八十八夜♪
茶摘みや夏野菜の種まき、
田植えの季節です。
新茶の季節をむかえます。
いとひき入れる時、休憩、ティータイム、ほっとする安らぎの、ひと時ですね。
古人は、お茶には、十の徳があると諭されました。
心やすらぎ おだやかに
そして健やかに日々を過ごすことができるというのです。
イライラや不安な心が癒され、自然と感謝の心になると諭されています。
また、お茶の成分は、心身の健康にプラスに作用することも実証されています。
日本茶でも紅茶でも、時にはコーヒーでもいいでしょう。
ひといきついて、ゆとりのある 日々を過ごしたいものです。
佐野泰典 記
↑画像をクリックすると大きくなります。
今年も春🌸が来ました。皆さんいかがお過ごしですか。
(連協役員 丹上)
🌸お寺の柴犬 ねね🌸
★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡
桜の開花、春の花々が咲きだし良い季節になりました。
この1年、閉じこもりがちな生活が続きましたね。
決して油断してはいけませんが、名所にでかけなくとも、ご近所でも
散歩・ウォーキングなどをして春の陽光に親しみ、ぐっと背伸びして深呼吸。
ストレッチや軽い運動・体操で体をほぐしてみませんか。
私は毎日、飼っている柴犬と散歩して、花の咲き具合をみて楽しんでおります。
(佐野泰典記)
「Don't worry, be happy.」
大したことではなくても、
思いがけず元気が出るひとことに出会うこと、ありますね。私は今日、美味しい珈琲とともにそんな出会いがありました。
元気をもらえる言葉を大切にしながら。今日も皆さんも良い日でありますように。
(連協役員 丹上)
◆暦のうえではもう春ですが、まだまだ寒い日が続きます。寒い冬に美味しいのが大根。おでんやブリ大根、ふろふき大根もいいですが、今回は大根おろしで大根もちを作ってみました。
★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡
作り方は簡単!
大根おろし 約150g(おろし汁も捨てずに使います)
片栗粉 60g
白玉粉 60g
塩 少々
これに私は溶けるチーズを加えています。
以上をボウルでダマが残らないようにこねます。
8等分して丸餅を作ります。
フライパンに油をしき、両面をきつね色になるまで焼きます。
◆そのまま食べてもほんのり甘くておいしいし、ポン酢を少しつけて食べるのも
美味。
◆焼いたものを冷凍にしておいて、トースターで焼けばおやつにもなります。
(京都府がん連協会長、京都博愛会病院・タバコフリー京都 栗岡 成人)
*2021年2月15日*
※美味しそうで、またまた真似して作ってみました。
私は片栗粉&白玉粉の代わりに上新粉を使いました。大根おろしのアミラーゼで粳米のデンプン(アミロースとアミロペクチンのようです)が分解されるのでは、どうなるのか、と思ったのですが、十分な粘性は保たれて成形できました。焼いた後も、大根おろしの、ほのかな苦みの上の程よい辛味がふわっと香り、美味しくできました♫
オリジナルレシピのように、片栗粉&白玉粉で、さらに溶けるチーズを入れた方が、「外はパリッ、中はもちもち」になるのかなと思います。次回また、試してみます*
(京都府がん連協役員 丹上)
本年も良い年になりますように。
「がん患者、家族の交流と連携を図り、お互いに支えあうため、そして行政や医療機関にがん患者・家族の切なる願いを届けるために」
京都がん連協は今年も☆前を向いて☆活動していきます。
全てのがん患者、家族のために。
皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
京都府がん患者団体等連絡協議会 一同 (丹上)
目の本質的な役割は、見ることではなく涙を流すこと、人間だけが泣くことを知っている。
(L'essence de l'oeil est le propre de l'homme...)
フランスの哲学者、ジャック・デリダ
(京都府がん連協 丹上)
久しぶりに丸1日時間が空いたのでカレーライスを作りました。
果物がたっぷり入った甘口のカレーで、シーフードとよく合います。
ルーから作るので、年に1~2回しか作れません(涙)。そのかわりに10人前くらいを大量に作ります。
★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡★☆☆彡
◆山盛りのたまねぎをバターで炒めて、しょうが、にんにくのみじん切りを加えて炒め、にんじん、りんごをすりおろして加えてまた炒めます。カレー粉を入れ、小麦粉を少しずつ加えて、炒めながらこね合わせます。ここが一番手のかかるところで、手がつりそうになります(汗)。
◆缶詰のトマトとココナツミルクを加えてルーを伸ばし、チキンブイヨンを少しずつ加えて薄め、チャツネ、パパイヤ、バナナ、マンゴー、干しぶどうをそれぞれ細かく切ったものを次々に加え、最後に塩とブーケガルニを入れてじっくり煮込みます。
◆煮込んでいる間に、サフランライスを炊いておきます。
◆フライパンにシーフード、今回はエビと貝柱とイカをバターで炒め、ワインを少々振りかけて、ルーを適量加えて、最後に生クリームを加え、レモンを絞り出来上がりです(上の写真)。
作るのに半日くらいかかりますが、手間をかけただけあっておいしく出来上がりました(笑)。
(京都府がん連協会長、京都博愛会病院・タバコフリー京都 栗岡 成人)
(美味しそう!)がん連協役員 丹上
コロナウイルス問題では、「三密を避ける生活」が社会に浸透しましたね、密集・密閉・密接を避けての生活行動。ありとあらゆることに自粛生活となりました。大事なことですが、このことにストレスを感じない方はなかったと思います。
ある日Facebookのお知り合いの投稿で、あるお寺の掲示板に 三満と題して、「円満・ 満喫・満足」と書かれていることに感心をされたことを目にしました。
私なりに解釈しますと
円満・・・こんな時だからこそ、仲良く、人をあげつらうようなことをしないで助け合いましょう。
満喫・・・どんなこともプラス思考で、前向きにいきましょう。
満足・・・今日の一日が満ち足りた日であることを感謝しましょう。
なんと素晴らしい掲示であったことかと思ったことです。
止まない雨はありません、明けない夜はありません。
梅雨の不順な時で、暑くなる季節ですが、みなさん熱中症にも気を付けてお過ごし下さい。
(臨床僧の会、京都がん連協 佐野泰典)
京都も梅雨入りして、湿度の高い日が続いています。少しずつ外出する機会も増えてきていますが、この時期のマスク着用はちょっと辛いものがありますね…。
今回は、アロマの効果を研究している知人Nさんから教えてもらった「マスクスプレー」のレシピをご紹介します。Nさんは理学療法士さんでもあり、学びの友でもあります。Nさんとの学びの時間には、いつもよい香りがそこにあって、隣に座るのが楽しみでした。
★さてさて、レシピです。
1. 無水エタノール5ml
2. 精油5滴
(ティートゥリー、ユーカリ、ラヴィンサラ、ベルガモットなど合計で5滴)
3. 精製水(無ければ水道水でも)45ml
1、2を混ぜたものに精製水を入れて、よく振って出来上がり。小さいスプレーボトルに入れて持ち歩くと便利です。
私はユーカリ2滴、ティートゥリーとベルガモット1滴ずつで作ってみました。刺激が強すぎることなく、優しくすっきりした出来上がりになりました。
(よい香りで、つい精油を多めにしたくなってしまうけれども、この濃度を守っていただくことをお勧めします)
★気をつけることはふたつ。
ベルガモット精油には、光毒性といって直射日光に当たると皮膚障害が出やすい性質があるので、「フロクマリンフリー」と記されているものを使うことが望ましいそうです。
また、マスクスプレーはマスクの外側にシュッとしてくださいね!
ふとした時に優しく香るマスクスプレー、よろしければお試しください。
(治療中など、アロマの使用にご心配ご不安のある方は主治医にご
(京都府がん連協 竹内 香)
昨年8月、淡路島の風景です。今年はまだ行けていません。また訪れる日を楽しみに。 (京都府がん連協 丹上)
おうちごはんが多い今日この頃、甘くて柔らかい新玉ねぎで作りました。
(写真)
左が新玉ねぎのツナマヨ
チーズ、右はナスの田楽
★作り方★
玉ねぎを輪切りにする
油を引いたフライパンで少し焦げ目がつくまで両面を焼く
軽く塩、コショウを振る
ツナ缶のツナとマヨネーズ適量を混ぜ合わせる
(少しからしを加えてもよい)
焼いた玉ねぎの上にツナマヨをのせ、その上に溶けるチーズをかける
トースターで約15分焼く
(京都府がん連協会長、京都博愛会病院・タバコフリー京都 栗岡成人)
*2020年5月27日*
※早速、真似して作ってみました。肝心のツナマヨ・チーズがなかったので、スクランブルエッグを乗せて玉ねぎピザに。淡路島産の新玉ねぎ、在宅ワークの時短ランチです。
(京都府がん連協 丹上)
春先からの新型コロナウイルスの蔓延で世界中が大変な事態に陥りました。
自粛生活・様々な制限制約・経済停滞による生活困窮・・・。大人も子供もストレスを受けた生活をしております。毎日身も心も疲れる生活です。皆さんも不安で心配な日々をお過ごしのことでしょう。
新緑美しく百花芳しい今は、一年のなかでも本当に清々しい季節ですが、心穏やかにすごすことができません。
私たちは、強いストレスを感じたり心の動揺があると、呼吸が浅くなりがちです。浅い呼吸は身心の健康にも悪影響となり、身体の不調となることも多いそうです。
深呼吸には、心と体をリラックスさせる作用があるのです。それは腹式呼吸の腹の底からの深くゆったりとした呼吸にあります。
私達禅宗の僧侶は、坐禪をしますが、坐禪の呼吸がこの腹式呼吸です。
むずかしいことはありません、長く・深く・ゆったりとした呼吸を心がけます。
長~く息を吐いて、吐きつくせば、自然と息を吸います、吸うときもなるべくゆっくりと吸い上げます。「おおきくはいて・おおきくすって」5回程度繰り返してみましょう。
この呼吸を毎日、たとえ僅かな時間でもやってみて下さい。そして腹が立った時、イライラしたとき、この呼吸を思い出して下さい。
「長息は長生きに通ず」と申します。イライラやストレスからの解放にも通じます。
一日も早い新型コロナウイルスの終息しますように。風薫る爽やかな空気を体中に満たせましょう。
(臨床僧の会、京都府がん連協 佐野泰典)